チロルの空想世界

オリジナル小説を載せてます。良かったら読んでいってくださいね。

2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

お屋敷の残響 あとがき

無事書き終わりました。 最後まで読んで下さった方々、ありがとうございました! スターやブックマークを頂いたことは書く励みになりました。本当にありがとうございますm(__)m このブログでは、あまり肩に力を入れず大体の話しの流れが形になればいいかなく…

お屋敷の残響(11) 最終話

頼りないバランスで支えられている私の体。少しでも動いたら落ちてしまう。 ハルナが振り返る。 その顔に助けを求めた。 しかし、彼女は踵を返し、階段を走り降りて行った。 ああ…… そういうことだったんだ。 欠けた記憶のPEACEが全て繋がった瞬間だった。 …

アコルト(23)

少し歩くと小野が口を開いた。 「名前は陸斗。もうすぐ2歳になるんだ」 赤ちゃんについてはさっぱり分からない。2歳くらいの子の認知機能はどれほどなんだろう。一緒にいなくていいのだろうか。 「嫁さんとあの子と一緒に暮らしてないのか?」 「嫁さんじ…

お屋敷の残響(10)

カビと埃を含んだ空気。 そして、饐えた臭いが漂ってきた。 一歩足を踏み出すごとに床がギシギシ鳴る。気をつけないと踏み外してしまいそうだ。 中には家具が置かれたままとなっており、エントランスには灰色になったソファーとサイドテーブル、暖炉が備え付…

アコルト(22)

奥さんの話しによると、子どもの存在を知ったのは、小野が高岡さんの家に泊まり始めた頃だという。 ある日突然、仕事に行っている間預かっていてほしいと連れてきたのだという。 それから、時々こうやって遊びに来たり、預かったりしているらしい。 どうして…