チロルの空想世界

オリジナル小説を載せてます。良かったら読んでいってくださいね。

(小説)伯父の家

伯父の家(2)

案内された居間は、小さいころ見たものとはすっかり姿を変えていた。 記憶の中で洋室仕様はずの部屋は、6畳と8畳二間の和室になっていた。 8畳の部屋の中央は掘りごたつになっていて、川の流れのような木目がついた欅の座卓が置かれていた。壁に沿って腰…

伯父の家(1)

伯父から電話があったのは大学が夏休みに入ってすぐのことだった。 貴和の成績が落ちているので家庭教師をしてほしいという。 貴和は伯父と前妻の間に出来た子で、現在高校に通っている。 お小遣いは弾むという甘い言葉に、丁度バイトを探していた私は快く受…