もしかして…… 目の前にいる小野の顔を見た。 小野は俺が気づいたことを悟ったのか、静かに答えた。 「これはオレの弟の財布」 離れて暮らしていたけれど 結婚式を喜んでくれて 会うはずだったんだ 「警察から事故だって言われたけど、どう見ても暴行された跡…

そこに立っていたのは、姿勢がよく、野性的な魅力を醸し出す面持ちの男だった。 そいつのことはしっかり覚えている。 ダメージジーンズに緑のスタジャンを羽織っていた。 人気ダンスグループのメンバーにいてもおかしくないような端正な顔立ちに、服の上から…

「ここに置いてある、これ何」 それは、棚の上にずっと置いていた黒い財布だった。 はじめて小野を泊めた時から、ここにあることは分かっていた。中にお金が入っていることも。 でも敢えて俺は置きっぱなしにしておいたのだ。 「これ、律の物じゃないよね」 …

全身がざわつく。 慌てて立ち上がって向き直った。 見慣れたはずの相手の顔からは、感情が読み取れない。 「何してんの」 小野はまたそう言った。 聞くしかない。 誤魔化すことも出来るが、この機会にはっきりさせたい。そうじゃないといつまでもモヤモヤし…

今年もよろしくお願いします！ もう一年が過ぎたのですね……。 あっと言う間でした。 昨年は更新が遅くなりがちでしたが……たぶん今年も遅くなりそうです(^_^;) できるだけ時間を作ってなんとか最終話まではたどりつけるよう頑張りたいと思います！ 小説を読ん…